胃ガン予防ABC検査
胃ガンは、早期発見のみならず、予知、予防できる病気となりました。そのための有効な検査がABC検査です。
ABC検査は、採血をおこなうだけの簡単な検査です。ヘリコバクター・ピロリIgG抗体(以下、ピロリ抗体)と、ペプシノゲンの両方を調べます。そして、その結果を組み合わせて、胃ガンのリスクを、A,B,C,Dの4群に分類して評価します。
【ピロリ抗体検査】
胃がピロリ菌に感染していないか調べる検査です。ピロリ菌は胃粘膜にダメージを与え、胃ガン、胃潰瘍などの病気の引きがねになります。
【ペプシノゲン検査】
胃粘膜の老化(萎縮)の状態を調べる検査で、胃がん予知の検査として、近年急速に普及しています。萎縮が進んだ胃は、胃ガンになりやすいのです。
検査結果は、以下のように評価されます。
A群:健康な胃粘膜と考えられます。
B群:胃ガン、胃潰瘍に注意が必要です。
C群:胃ガンの危険群と考えられます。
D群:胃ガンの高危険群と考えられます。
ここで注意すべきことは、D群はもはや胃にピロリ菌が住めなくなって、退却しているということで、胃ガンの高リスクなのです。D群の方は、内視鏡検査による定期的なフォローアップが必要ですから、消化器内科をご紹介します。
胃ガンABC検査は、【ピロリ抗体検査】【ペプシノゲン検査】セットで、実費4,000円(税込み)です。予約不要です。検査の結果は、4〜5日で判明します。
こまえクリニックでは、B,C群の方は、胃ガン予防の観点から、ピロリ菌の除菌を積極的にお勧めしています。
保険診療希望の場合は、消化器内科で内視鏡検査をおこなう必要があります。内視鏡検査で、胃潰瘍、萎縮性胃炎などが認められた場合のみ、保険適応で除菌できます。
内視鏡検査をスルーして、除菌をおこなうこともできます。この場合、自費診療となり、9,000円の薬代がかかります。当院から、処方箋をお出しできます。
ピロリ菌の除菌は、抗生剤2種類と胃酸の分泌をおさえる胃薬を1週間服用します。これにより、8割の方で除菌されます。
除菌の判定は、半年後にもう一度【ピロリ抗体検査】をおこないます。再度ピロリ 抗体が陽性の場合、二次除菌が必要となります。二次除菌は、消化器内科専門医のもとでおこなっていただきます。
ABC検査は、将来の胃ガンの予知・予防の検査ですから、若い方にもお勧めします。