国民の25%以上がスギ花粉症といわれ、今や国民病です。これまでスギ花粉症には、 抗アレルギー剤、点眼薬、点鼻薬を用いて、シーズンを乗りきるという治療が一般的でした。そして、2014年に舌下免疫治療薬が登場し、健康保険適応となりました。こ れが「シダキュア」とい錠剤です。
舌下免疫療法とは?
花粉症は季節性のものなので、短期間集中的にしか花粉にさらされない状態では、身体は花粉を異物と認識してしまいます。しかし、2〜5年の長期間に渡って少量の花粉アレルゲンエキスを持続的に体内に取り込むと、次第に身体が花粉を異物だと思わなくなります。これを免疫寛容といいます。
舌下免疫療法とは、スギ花粉症の原因である花粉エキス錠剤を、持続的に舌下に投与することによって、身体にスギ花粉に対する免疫寛容を成立させる治療です。
舌下免疫療法の留意点
舌下免疫療法は、スギ花粉症の根治を目指す優れた治療法ですが、夢の治療ではありません。舌下免疫療法を開始していただくには,下記のような注意点があります。
- スギ花粉症であると確定診断されていることが必要です。そのために当院では、採血による診断をおこないます。(アレルギー検査View39ご参照下さい)
- スギ花粉症舌下免疫療法の初回治療は、6月から12月までとなります。スギ花粉飛散期(1月〜5月)は開始できません。
- 治療適応は12歳以上の方です。
- 初回治療から1週間後,以後は2週間に1回、3ヶ月後からは、4週間に1回の通院が必要です。
- 長期間の継続が必要です。最低2年間,毎日(花 粉症の時期以外も)毎日の服薬が必要です。続けなくてはいけません。
舌下免疫療法の効果
治療を行った方の20%で花粉症が治癒し、30%以上でかなり楽になって花粉症の薬が激減した。そして、20〜30%の方が、以前より楽と回答されまた。残念ながら10〜20%の方は治療効果がありません。全体をみますと80%以上の方に効果があります。
舌下免疫療法の副作用
注射による皮下免疫療法のようなアナフィラキシーとよばれる強いアレルギー反応を起こす可能性はほとんどありません(国内での報告はありません)。口内炎、口腔内の腫れなどが見られることがあります。
舌下免疫療法の治療費
舌下免疫療法の薬代は、3割負担の方で、月額1,000円ほどです(検査代は除きます)。スギ花粉の飛散時期だけでなく1年を通じて治療をしますので、毎月ほぼ同額の治療費となります。
おわりに
舌下免疫療法は、これまで抗アレルギー剤によって、対症的にしか治療できなかったスギ花粉症の根本的な解決を期待でき、しかも有効性、安全性の高い治療です。当院は、舌下免疫療法指定医療機関です。希望される方は、平日午後の診療時間に、来院してください。
東京都狛江市東和泉 1-31-27
電話:03-5438-2525
メール:hojo@koma-cli.jp